
東京商工会議所が主催する「ビジネスマネジャー検定」は、基礎的かつ実践的なマネジメントの知識を学び、マネジメントスキルやリーダーシップ能力を測るために提供されています。
人材育成から事業管理、ハラスメント対応やメンタルヘルスなど幅広く学ぶことができるため、役職のある方もこれから部下を持つという方にも役立つ資格です。

公式テキストの内容が多すぎる・・・効率的な勉強法は?

実際の試験内容はどんな感じなんだろう?
私も同じような悩みがありました。
実際に公式テキストや問題集を手に取ってもらうと分かるのですが、結構なボリュームがあって、勉強する前から心が折れそうになります・・・。
結論から言うと、まずは問題集を解くことから始めるのがオススメ。

最初は公式テキストを読むんじゃないの!?
筆者も、はじめは公式テキストを読んでノートにまとめていました。
でも実際に問題集を解いてみたら、驚くほど解けません。
特にはじめに読んだ内容は、すっかり頭から抜けていて問題が理解できませんでした。
この後いろいろな勉強法を試して、一番効率が良いと思った勉強方法が、
1.問題集を解いて、わからない・間違えた問題の解説を読む
2.解説で理解できない単語や内容は公式テキストで調べる
3.ここまで行ったら、先ほど解いた問題のページに付箋をつける
4.一通り問題集を解いたら、再度はじめからから解きなおす
5.正解した問題は付箋を外す、間違えた問題は付箋を残して復習する
→付箋がなくなるまで繰り返すことで、しっかりインプットされていきます。
公式テキストを読むことももちろん大切ですが、この方法を取り入れることで、こんなメリットがあります。
・実際の問題形式が分かるので、公式テキストを読む目線が変わる
・付箋を貼ることで自分が学ぶべき範囲が明確になる
・問題を解いて、正解したページの付箋が外れていくとモチベーションアップになる
注意点としては、
・付箋を準備する必要がある
・はじめは付箋だらけになるので、問題集を運ぶときに気になる人も
問題集を購入すると、アプリをダウンロードすることでスマホでも問題回答ができるようなサービスがあります。
もちろん筆者も使用しましたが、はじめは上記の勉強方法の方が理解できていない範囲を目で確認することができるのでよかったです。
【勉強時間】正社員で週5日勤務の筆者の場合
平日:昼休みに30分(付箋がついた箇所の問題を解く&復習)
休日:1日1~2時間(繰り返し間違える問題の範囲をじっくり勉強する)
受験1カ月前から開始したので、しっかり勉強したのは合計20時間くらいです。
スマホからでも問題演習ができたので、スキマ時間に解くことはしていました。
ビジネスマネジャー検定に合格した筆者が、使用したテキストや試験直前にやったこと、試験内容を詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
どんな人に役立つ資格なのか?
そもそも、ビジネスマネジャー検定はどんな人に役立つ資格なのかまとめていきます。
これから管理職になる人
主任やリーダーなど昇進したばかりで、人をまとめるのは初めてという方におすすめです。
管理職になる方は、自分の仕事も抱えながら、マネジメントしていく方が多いと思います。
そんな時に、業務とマネジメントの両立や、部下の指導など迷いがちな内容を、
体系的に学べるのが強みです。
なんとなく先輩をみてやっていた「感覚」が、「きちんとした知識を持って動ける」に変わると、自信にもなりますし、それが部下との信頼構築にもつながります。
中堅~ベテラン管理職
すでに現場で多くの経験を積んできた方にも、学ぶメリットは十分あります。
改めて基礎理論を学ぶことで、自分のやり方を客観的に見直す機会になります。
今までの実務経験に基礎理論が入ることで、より説得力のあるリーダーを目指すことができます。
また、常にアップデートし続けている上司というのは、部下から見ても信頼できますよね。
マネジメントを任される立場の人
プロジェクトのリーダーや現場責任者など、肩書は管理職ではないけど人を率いる立場にある方にはとても参考になる資格です。
管理職のように上下のつながりだけではなく、横のつながりをまとめる立場には、
マネジメント能力の向上が必要です。それに一役かってくれるのがこの資格です。
この資格では「人と組織のマネジメント」という項目があるくらい重要視されています。
資格をとるまではしないかな・・・という人も、ぜひ公式テキストには目を通してほしいです。
将来副業や転職を考えている人
実際にマネジメント経験があるという人も、客観的な証明が難しいため、転職や副業をする際に、どう伝えればよいか悩ましいところです。
そんな時に、この資格が一つの裏付けになります。
履歴書や職務経歴書に記載できる「公的な資格」になるので、大変おすすめです。
マーケティングや行動経済学にも触れているこの資格は、実際に副業や独立を考えている人には、足掛かりになるものだと思います。
ビジネスマネジャー検定の内容
人と組織のマネジメント
- 部下・チームとのコミュニケーション
- 動機付け、リーダーシップの発揮
- 人材育成・評価
→「人を動かす力」を中心に学ぶ分野です。
業務のマネジメント
- 経営戦略や事業計画の立案と実施
- 業務の改善・効率化
- 財務や数値管理
- 会議・プロジェクトマネジメント
→仕事を計画的に進め、成果を出す力を養います。
リスクのマネジメント
- コンプライアンス(法令順守)
- ハラスメント防止(パワハラ・セクハラ等)
- メンタルヘルス対策
→トラブルを未然に防ぎ、安心できる職場環境を作る力を身につけます。
マネジャーの心構え(基盤部分)
- 管理職としての役割認識
- 倫理観・責任感
- 上司と部下の板挟みになったときの対応
→ 知識だけでなく「姿勢」や「考え方」を学ぶことで、実務に生きる学びとなります。
公式テキストには、「現場でどう活かすか」の具体例まで記載されているので、
資格勉強のあとも、ビジネスマンのバイブルとしてぜひ持っておきたい一冊ですね。
受験方法や費用、申し込み方法
2025年8月時点で、東京商工会議所が提示している受験方法は3種類です。
受験方法や費用
IBT(Internet Based Testing):自宅やオフィスから受験可能。
CBT(Computer Based Testing):全国のテストセンターにて受験。
団体受験:企業などがまとめて申し込む形式。
自宅からでも受験可能なのは、忙しいビジネスマンにとってはうれしいですね。
受験費用や、試験形式は下記の通りです。
- 受験料:7,700円(税込)
CBTを選択した場合には利用料2,200円(税込)が加算されます。
受験する際は、お住まいの地域や希望する受験方法に応じて金額を確認してください。
(価格は2025年8月時点)
項目 | 検定試験 |
---|---|
形式 | 90分・多肢選択方式・年2回実施 |
合格基準 | 100点満点とし、70点以上をもって合格 |
難易度 | 合格率は平均20〜40%前後 |
第21回の合格率は74.8%でした。難易度にはばらつきがあるようです。
申し込み方法
ビジネスマネジャー検定の受験申し込みは、東京商工会議所のホームページから可能です。
ホームページのトップには、試験の「申込期間」と「試験期間」が記載されていますので受験を検討されている方は、ご確認ください。
申込期間になると、ホームページにフォームが追加されます。必要事項を入力すると
「ビジネスマネジャーBasicTest受験者登録」メールが届きます。
ここから試験費用の支払いが可能です。
【支払方法】
各種クレジットカード、コンビニエンスストア
銀行振り込みやアプリ決済には対応していないようです。
変更される場合もありますので、必ず最新情報をご確認ください。
おすすめの勉強方法
冒頭にもお伝えしましたが・・・
問題集からはじめるのがおすすめ!
テキストをある程度読みながらノートにまとめて、問題集を解く・・・
これを繰り返していましたが、何度も同じ問題で躓いていました。
それを解消し、効果的な学習ができたのがこの方法です。
問題集から先に解く勉強法は、メリットが5つあります。
1.問題集を解いて、わからない・間違えた問題の解説を読む
2.解説で理解できない単語や内容は公式テキストで調べる
3.ここまで行ったら、先ほど解いた問題のページに付箋をつける
4.一通り問題集を解いたら、再度はじめからから解きなおす
5.正解した問題は付箋を外す、間違えた問題は付箋を残して復習する
この資格取得をする方の多くは、多少でもマネジメントや人材育成に触れてきている方だと思います。
普通に会社員として働いていれば、知っている情報ももちろんあるので、公式テキストすべてに目を通していくのは時間がかかりすぎますし、ほかの内容に脳のリソースを使っていきたいですよね。
わからない・間違えた問題に付箋をつけることで、自分が理解するべき範囲が見えてきます。そこに一点集中するのが、効率的です。
実際に、この方法は多くの方が実践しおすすめしている方法なので、ぜひ試してみてください。
筆者もこの方法にしてから、理解度がぐっと上がりました。
勉強時間は約20時間
【勉強時間】正社員で週5日勤務の筆者の場合
平日:昼休みに30分(付箋がついた箇所の問題を解く&復習)
休日:1日1~2時間(繰り返し間違える問題の範囲をじっくり勉強する)
受験1カ月前から開始したので、しっかり勉強したのは合計20時間くらいです。
スマホからでも問題演習ができたので、スキマ時間に解いたりはしていました。
公式テキストや問題集はどこで買える?
公式テキストや問題集の購入先を紹介します。
毎年2月頃に最新のものが販売されるようなので、受験予定の方は最新の情報を
確認してくださいね。
東京商工会議所のホームページから購入
楽天やAmazon、Yahoo!から購入
一部販売サイトのリンクを掲載しています。参考にしてください。
ビジネスマネジャー検定試験(R)公式テキスト〈5th edition〉 管理職のための基礎知識 [ 東京商工会議所 ] 価格:3,245円(税込、送料無料) (2025/8/24時点) 楽天で購入 |
ビジネスマネジャー検定試験(R)公式問題集〈2025年版〉 [ 東京商工会議所 ] 価格:2,750円(税込、送料無料) (2025/8/24時点) 楽天で購入 |
もし、受験はしないけど内容を見てみたいという方は、過去のものになりますがメルカリなどで中古のテキストを買うのもいいと思います。
大幅に内容が変わることはないので、影響はないと思いますよ。
試験直前にやったこと
試験直前になると、どうしても不安になってくると思います。

勉強してきたけど、試験に合格できるのかな・・・
筆者も、この不安はめちゃくちゃありました。
付箋がなくなるまで問題集を解いたけど、なんとなく自信がない。
そんな時に、この使用したものがあります。
問題集に付属したアプリ「ノウン」
ノウン:公式問題集に付属するデジタルドリルアプリ
公式テキストに準拠しており、過去問題や模擬問題に対応しています。
※アプリの使用には公式問題集に記載された専用コードが必要です。
このアプリを活用すると、試験直前の対策になります!活用方法は下記の通りです。
スキマ時間にも学習が可能!
アプリをダウンロードすることで、スマートフォンやタブレットから問題演習が可能!
通勤時間やお昼休みなど、スキマ時間を活用することで、効率的に学習できますね。
間違った問題を解きなおせる機能がある
試験前に、自分が苦手とする分野や問題を繰り返し解くことができるので、不安要素を解消できる、とても良い方法です。
回答後の点数が表示される
回答後に点数が確認できるので、実際の試験を想定して解くことができます。
合格基準は70点以上なので、そのラインに達しているか確認しながら、必要なところを復習するようにしていました。
実際、紙媒体からアプリに変わると、解き間違う問題もありました。
紙でもアプリでもミスなく解けるようになることが、とても自信になりました。
ちなみに、計算問題は捨てました!
なぜかというと、問題を解くのにすごく時間がかかるから!
解くのに時間はかかるのに、点数配分が大きいわけでもない・・・
それなら他の問題の見直しに時間を使う方がいい、そう思ったので筆者は、計算問題を完全に捨てました。
もちろん、自分の身になる勉強なので、問題集などではきちんと解きました。
でも、検定当日はざっくり問題を読んで、なんとなくこれかなって適当に回答しましたが、それでも82点で合格できました。
ここは自己判断ですが、計算問題を捨てるのも一つの方法だと思います。
実際の試験内容は?
筆者は第22回の第1シーズンをCBT方式で受験しました。
試験を受けた感想としては、
- テキストの内容が、満遍なく出題されている印象。
- 問題集と同じような出題形式だけど、言い回しが若干変わっていたので困惑した。
見直す時間は必ず必要。 - テキストに載ってた?という内容の問題もあった。
- 最後の2問くらいは時事問題だった。
見直しをすると、うっかりミスしていたところも発見できたので、10~15分くらいは見直しの時間を確保したいところです。
問題集を解く際にも、その時間を確保できるかどうか意識しながら解いてみるといいですね。
ちなみに、終了時間前に回答を終えることも可能です。
試験が終了すると、即時結果が画面に出ます。一息つく間もないまますぐ結果がでます!
注意点ですが、受験者は合否と点数のみしか確認できません。
試験後も試験問題や回答の詳細は公開されないので、振り返りができないんですね。
もし不合格だった場合、来年の試験のために活かせないのは痛いところです。
試験の際に注意してほしいこと
受験日が近くなってくると、当日準備するものや注意事項が記載されたメールが届きます。
受験されるみなさんには、事前に知っておいてほしい情報です。
紙やペンなど記述できるものが使用できない
これ、すごく困りますよね。

問題を解くときにメモは必須でしょ!

後で解きなおしたい問題にチェックをつけておきたいのに・・・
おそらく、カンニング防止などの観点から使用を禁止しているのではないかと思います。
とくにIBT方式だと、細部までは監視できませんからね。
受験の際の注意事項がメールで届くまで、この情報を知らなかったので、大変驚きました・・・。
試験の際に便利な機能
先ほど、試験の際に注意してほしいことをお伝えしました。
しかし、何かしら対策ができないと困りますよね。
この点に関しては、東京商工会議所が提供する、便利な機能を使えば解消できます!
筆者も、試験の際にはこの機能を最大限活用しました!
順番に紹介していきます。
試験問題のブックマーク機能
後で見返したい問題などにマークをつけて、一覧画面で確認できる方法です。
分からない問題をいったん飛ばして、先の問題に進みたい時などに便利な機能。
筆者は、回答したけど後からもう一度見直したい!というときにも活用していました。
メモ機能
キーボードを利用して、文字を書き残しておくことができる機能です。
筆者は「〇×問題」や「適切な個数を答える問題」のときに、よく使用していました。
メモしておけば、あとから見直すときにも参考にできます。
紹介した2つの機能は、受験前にお試しで使うことが可能です。
受験日が近くなってくると、受験方法に関するメールが届きます。
そこからお試しで使うことができたので、当日に活用できるよう使ってみることをおすすめします。
※パソコンがないかたは、試すことができない場合があります。余裕をもってメール内容をご確認ください。
まとめ
ビジネスマネジャー検定は、
- 「人」「業務」「リスク」+心構え を体系的に学べる
- 管理職やリーダーだけでなく、これから昇進する人・
チームを任されるスタッフ層にも役立つ - 公式テキスト+問題集+アプリで効率的に学習できる
- 試験では知識だけでなく「現場での実践力」が問われる
という特徴を持っています。
また、学び方の工夫として
- 問題集を繰り返す
- 分からないところは公式アプリで補強
- 日常の業務に置き換えながら理解する
といった勉強法が効果的です。
「ただの資格勉強」ではなく、日々のマネジメント力を底上げできる実践型の検定。
合格を目指す過程そのものが、自分の仕事を振り返り、よりよいチーム作りにつながる
大きな財産になります😊
このブログから、実際に受験しようと思ってもらえたり、受験勉強の不安が少しでも
なくなればと思います。
それでは、また。
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